ばったんの将棋日記

将棋の研究などについて書いていきます。

実戦詰将棋(2019/09/04)

〇実戦詰将棋

みなさん、ほんとうにお久しぶりです。ばったんです。

 

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昨日の対局で出てきた実戦詰将棋です。

自分は詰みを読み切れず、この対局は負けてしまいました…。

備忘録も兼ねて載せておこうと思いました。よかったら解いてみてください。

答えは下の方に示しておきます。

 

 

答え

次のいずれかであれば正解だと思います(抜けなどあれば教えてください)。いずれも17手です。

 

△2六桂 ▲2八玉 △3九銀 ▲同銀 △同龍 ▲同玉

△5七馬 ▲4八合駒 △3八香 ▲2八玉 △3九銀打 ▲1七玉

△2八銀打 ▲2六玉 △4八馬 ▲3七合駒 △2五飛 まで17手

 

△2六桂 ▲2八玉 △3九銀 ▲同銀 △同龍 ▲同玉
△5七馬 ▲4八飛(あるいは金) △3八香 ▲4九玉

△5八銀打 ▲同飛(あるいは金) △3九香成 ▲5九玉

△6七桂打 ▲6九玉 △7九馬 まで17手

 

△2六桂 ▲2八玉 △3九銀 ▲同銀 △同龍 ▲同玉

△3八香打 ▲4九玉 △4八銀打 ▲同玉 △5六桂 ▲3七玉

△2五桂 ▲2六玉 △3五銀打 ▲同歩 △同馬 まで17手

 

※初手△4六桂からも詰むようですが、手数的に△2六桂からの方が短いのでここでは省略します。

 

 

 

 

詰将棋を理論的に考えてみる

将棋は玉を詰ませるゲームです。まず自分の手番になったときに相手玉に詰みがあるのかということから考えるのがセオリーだと思います。

 

では、今回の局面ではどのように考えれば詰みがあるということを見抜けるのでしょうか。強い人であれば一目で詰んでそうということがわかるのだと思いますが、僕はわからなかったので改めて考えてみました(笑)

 

まず、局面図を見て、考えることとして、初手配置でどこに自分の駒が効いているのか、相手玉が逃げるとすればどのようなルートが考えられるのかということです。今回の局面では、下図の赤で塗られたところは自分の駒の効きがあり、相手玉が逃げられない場所ということになります。この図を見ると一目瞭然ですが、相手玉はかなり狭い(追い詰められている!)ことがわかります。ここまで考えて「相手玉の逃げ道はほとんどないし、もしかすると相手玉は詰むかもしれないな」と考えます。

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次に考えることは、相手玉が詰んでいると仮定したときに有効手としてどんな手があるのかということです。ここは数学の場合分けに似ていますね(笑)

 

ここで有効手と呼んでいるのは次の2つの条件を満たす手です。

①王手をかけられること

王手をかけないと相手に手を渡すことになるので相手玉は詰みません。

②攻めが続くこと

攻めが続くというのはあいまいで初心者の方にはわかりにくいかもしれませんが、攻めの種を残す手のことです。イメージとしては、相手玉の周りに駒が残るような攻めをせよという感じです。

例えば今回で言えば、△4九龍などとしてしまうと、▲同玉と取られ、攻めの種となる駒が1枚減ってしまいます。なので、この手は「攻めが続く手」とは言えません。

 

ときには例外も出てきますが、まずは、この条件に合う手を考えることが基本だと思います。

 

さて、今回の初期局面での有効手は△4九銀打、△3七銀打、△3七香打、△4六桂打、△2六桂打の5通りでしょう。そして、この5つの手について吟味していきます。

 

まず、△3七銀打と△3七香打は少し考えれば▲同桂と取られたときに、△2六桂▲同歩△2九銀打▲2八玉くらいで王手が続かないことがわかります。

また、△4九銀打は▲2八玉とされたときに、王手が続きません。△3八銀成があるじゃないか!という人もいるかもしれません(いないですよね?)が、よく考えてください。同玉とされて最初の局面に戻ってしまいます!銀が一枚いなくなっただけです!(笑)

 

ということで、残るは△4六桂打と△2六桂打です。結果としてはどちらも詰むようなのですが、実戦では△2六桂打から考えるべきだと思います。なぜなら、△4六桂打は2四にいる馬の効きを遮ってしまうことになるからです。なので、感覚的な話にはなりますが、△2六桂打のほうが感触のよい手と言えます。

 

次に、相手の応手を考えます。ここでは、▲同歩、▲3七玉、▲2八玉の3通りが考えられます。

ⅰ)▲同歩

▲同歩の場合、△2七銀打▲同玉△2九龍で一間龍の形(玉と龍が一マス空けて向かい合った形、この形を作ると詰みやすい)になるので、そこまで読みを進めてみます。

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ここまで来れば、▲2八合駒△3八銀打▲1七玉△2五桂打▲同歩△同桂▲2六玉△2八龍まで一直線で詰むことがわかります。

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ⅱ)▲3七玉

この場合は、△2五桂として▲2六玉なら△3五銀打▲同歩△同馬までの3手詰であることがわかれば簡単です。△2五桂に▲2八玉しかなく、△3九銀打▲同銀△同龍▲同玉△5七馬▲4八銀打△3八香打▲2八玉△3九銀打▲同銀△同馬まで一直線です。
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ⅲ)▲2八玉

この場合もⅱ)と同じく、△3九銀打▲同銀△同龍▲同玉△5七馬▲4八銀打の筋が見えればあとは簡単です。同様に考えれば出来ると思うので後は省略します。
 
〇詰みを考える上でのポイントまとめ
  • 初期配置での自分の駒の効きを考え、相手の逃げ道を把握する。
  • 逃げ道があれば、それをつぶしながら王手出来る手がないか考える。
  • 有効手(王手がかけられる手のうち、王手が続くものや攻めが切れないもの)をすべて考え、それぞれについて読みを進める。
  • 感覚の話ではあるが、一間龍など詰みやすい形、詰め上がりでよく出てくる形を覚えておくとセンスを知識でカバーできる!
やや長くなりましたが最後まで読んでいただきありがとうございました!

では、また次回もお楽しみに!!